Shige's review

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幸せになる勇気 レビュー

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先日レビューした『嫌われる勇気』の続編、『幸せになる勇気』をレビューしたいと思います。これも4年ほど前に買った本ですが、改めて読み返してみました。いい本だと思います。

 

・内容

『嫌われる勇気』同様、青年と哲人との対話形式で話が進みます。青年はアドラー心理学に感銘を受けて、その素晴しさを若い世代に伝えようと、中学校の教員になりました。アドラーの教え、「ほめてはいけない、叱ってもいけない」を真面目に守っていたはずが、生徒との関係がうまくいかず、教室が荒れてしまい、結局ほめたり叱ったりして教育せざるを得なくなってしまう。たまらず青年はアドラー心理学を教えてもらった哲人に「アドラー心理学などデタラメだ!」と文句を言いに書斎に訪れた、というところから話が始まっていきます。

 

・読むといい人

当然前作の『嫌われる勇気』を読んだ人でなければ、いまいち話が入ってこないのではないかと思います。そして『嫌われる勇気』に少しでも感銘を受けた人、そして感銘は受けたが実践するのは難しいと思った人にはおすすめできます。『嫌われる勇気』が基本編だとすれば、『幸せになる勇気』は実践編、応用編とも言えます。

 

・メリット

『嫌われる勇気』の思想をより深く掘り下げて理解できる本だと思います。前述のように『嫌われる勇気』は基本的なことなので、簡単なように思えるのですが、この本の場合は実践するにはハードルが上がっているように思います。例えば前作に「他者への関心」が重要だという話がありました。そのとき青年は、ほうほうと話を聞いていてさらりと話しが終わります。これだけだとそれなら他人に対して色んな質問をして相手のことを知ればいいのか、という風に捉えられます。しかし今作はそれに加えて他人を「尊敬」することが重要だとしています。先生が生徒を尊敬することは容易いことではないでしょう。しかし、これができなければ、本当のアドラー心理学を実践しているとは言えないのです。このように、より理解が深まり人生がうまくいくかもしれません。

 

・デメリット

前作が嫌われる勇気ということもあるのですが、この本を読んだ結果、幸せになったとすると、それと引き換えに誰かから嫌われる可能性が高いです。結局幸せになる為には嫌われなければならないということなのです。その勇気を持つことが重要ということですが、やはり息苦しさは拭えないと個人的には思います。私の感覚では3人に1人くらいは、他人の幸せに否定的な感情を表に出してきます。ただ、逆に幸せな人が好きな人もいるので、そういう人間関係を築いていければいいと思います。

 

・まとめ

私はこの本を読んで人生が救われた感じがしました。他人の目を気にせず自分の幸せを突き詰める勇気をもらえました。結婚もでき、幸せに過ごせていると思います。ただ気を付けたいのは、私自身も他人の幸せを不快に思うことがあります。どうにかそれを押し込めるよう努力しています。幸せになるためには他者への貢献感が必要です。他者の幸せを喜ばないといけません。さらにその為には自分自身が幸せでないと難しいので、幸せでいられるように頑張りたいです。

それと他人の幸せを不快に思う人が多い中、自分を不幸にしようとする人間には気を付けたいです。この本を読んでも、他にも色々と本を読んだりしてますが、そのような人の有効な対処方法は残念ながら今のところ見つかっていません。あるとするなら、なんらかの方法で罰を与えるか、逃げるかのどちらかになるかと思います。

改めて「幸せになる勇気」を読みましたが、「嫌われる勇気」とセットで完成なのだと思いました。また人生で行き詰まることがあったらセットで読み返したい本です。